開業準備はじめました
- 井筒 清史
- 2019年11月2日
- 読了時間: 3分
更新日:2020年8月16日
母は2010年10月より免疫疾患となり、人の助けがないと生活が困難な要介護4になっていました。
2015年自分の判断ミスから母を死の淵に追いやってしまい、まさに365日24時間命をかけて1.5年程度、看病をしていました。
終わることのない看病生活が続いていた2017年7月、疲れ果てて生きる希望を無くしていた時、本屋である本に出逢いました。
ローカルブックストアである 福岡ブックスキューブリック
大井 実 著
普段は母の容態のことばかりが気持ちのすべてを占めていた頭が雷に打たれた様に衝撃を受けました。
こういうことをやりたいと思ってたんや
と、久々に自身の人生について思い出す強烈な出来事になりました。
ご存じの方も多いと思いますが心斎橋にスタンダードブックストアというブックカフェがありました。
初めて行った時、入口周辺のスペースにメンズのファッションに関する落合正勝 著の男の服装術を置いてあるのに衝撃を受け、こんなエキセントリックな選書をする本屋さんがあるんだなと、こういうのいいなと思っていました。
こういう本は大手の本屋さんでは目立たない所に密かにあるものなのですが、この本屋では入口すぐの平台の目立つところに堂々と置いてあり、書店員のお勧めしてやろうという気概を感じました。
また、併設されているカフェが雰囲気がよく、本を読みながらコーヒーや軽食を楽しめる落ち着いた空間が楽しく、当時、あまり自身が遭遇したことがなかったブックカフェという業態にすごく惹きつけられました。
しかし、店の規模が大きすぎて面白い本屋なのだけれども自分でやってみようとは思えず、開業したいと思うに至らない遠い存在でした。
一方、ブックスキューブリックはスタンダードブックストアで受けた衝撃をもっと小さいサイズで自分らしくより色濃く出せる可能性を感じて、大井さんの本を見た瞬間に
自身が創業するイメージを持つことができました。
日々、母の看病で張りつめていて、はけ口のなかった抑圧されていた感情を解き放ってくれました。
もう人生楽しいことなんかないと半ば諦めていた心に、面白い企てがこれからできるかもしれないという希望を光を灯してくれ、凄まじい衝撃となって体を突き抜けたのでした。
思い返せば進路に悩んだ時、何か技能を身に着けたい時、何か新しいことにチャレンジしたい時はいつも本屋に通っては前に進むためのアイデアや道しるべを見つけてきました。
その時々で本が新しいものの見方を提供してくれて、悩んでいたこと、立ちはだかる壁を突破する新しい視点やその術を教えてくれました。
読んできた本は自分らしさ、生き方といったスタイルを形作る材料になってきたと実感しています。
このような経験からブックスキューブリックの本を見た瞬間、屋号はスタイルブックスにしようと瞬時に決めました。
私が本によって人生の各ステージで助けてもらい、自分らしさを培ってきてくれた、そういう本を今度は本が好きな人、本に救いを求める人、本に楽しみを見出す人達に向けて提案していきたい、
スタイルを見つけるささやかなお手伝いがしたいと思ったのです。
どうやって生きていこうとすら考えられなかった状態にいた私が人生を再び歩みはじめるため、思いもしなかった新しい目標ができました。
といいつつも、本屋をした経験はなく、飲食業界の経験もゼロでした。
まずは本屋のバイトから始めようと早速、職探しを始めることにしました。

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